4:名無しNIPPER
2018/03/02(金) 23:35:41.24 ID:8Rz93Xsd0
勇者は家へと戻ると、朝食の準備に取り掛かる。
これと言って献立はない。焼いて、炒めて、茹でて、ぶっかける。男飯に感じるが、この雑さが美味しさを引き立てる。
台所の中央にある梯子より、地下室へと降りる。
光が一切当たらない部屋は、寒い、という一言でしか表せなかった。
急ぐように野菜を籠から抜き取ると、梯子を駆け上る。
野菜と今回使う調味料を置いたところで、勇者は手をかまどへと向ける。
勇者「ファイア」
そう呟くと、勇者の手が淡い光で包まれる。
瞬きをした。刹那という時間で、勇者の手より放たれた炎はかまどに入っていた木材を燃やす。
かまどの上に敷かれた、鉄板が熱い熱を受け、小さく音を漏らす。
顔を洗うついでに汲んできた水で、野菜を濯いだ。太陽の光を水が受け、野菜を輝かせる。
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