ジャパニーズアベンジャーズ 特撮クロスオーバースピリッツ
1- 20
13:名無しNIPPER
2018/03/10(土) 00:57:36.30 ID:mfi6AG+4O

「これは!? 甲平が一人で作ったのか!?」

「いや、通信で健吾や蘭にアドバイスや知識を貰ってるし難しい技術はこの地球脅威研究室のメンバーに聞きながらってとこかな」

「そうか……だが根気を詰めすぎは良くない それに明日は見学者の人たちの案内役だろ? だから明日に備えてもう帰れ」

「そんな悠長なこと言ってる時間はないし、闇の意思の脅威はそこまで来てるんだぜ? しかも今回の脅威はジャマールやメルザードの比じゃないことくらい先輩は俺なんかよりずっと分かってるはずだろ?」

甲平がここまで焦るのには理由があった。
二週間前から地球上のあちこちで昆虫たちが大量に発生する現象が頻発している。
この現象はジャマールやメルザードが現れた時にも起った現象にかなり酷似していたのだ。
しかも昆虫たちの数は前回の大量発生の比ではなく、加えて動物たちも何かに怯え、身を潜めたり凶暴化している。
一般人なら変わった現象だなぁ……の一言で済ませられるかもしれないが光の意思の後継者としてビーファイターになり戦った甲平には人類を無にすべく闇の意思が今度はさらに巨大な闇を放ったと確信が持てた。
しかし二人とも、光の意思によって変身アイテムを回収されビーファイターへの変身能力を失っており、闇の意思に対抗できる力がない、しかし光の意思が再び力を貸してくれる保証もない。
だから甲平は焦り、何日も徹夜で仲間の助けを借りながらビーファイターへの変身ツール復旧を忙しいでいたのだ。

「それはそうだが……で、何が足りない? 見た目は完璧そうだが?」

「昆虫の精だよ……あれがないとただ重い金属を着てるだけだから」

ビーファイターのアーマーは昆虫の聖なる力と人類の科学技術が融合してできた意思を持つ強化服。
昆虫の力がなければただの頑丈な重い鎧のようなもので、超人的なジャンプ力やスピードは出せない。
甲平は昆虫の精の代わりとなる動力源を探して、試し続けてはいるものの一時的にしか変身できないなど中々、上手くいかなかった。

「なるほどな…… 甲平、良くここまで頑張ってくれた 今日はもう帰った方がいい」

「いや、けど!……」

「大丈夫だから後は任せてくれ ここからは調査部である俺の出番だ」

頼れるのは昆虫族の長老であり、ビーファイターの誕生の産みの親であるグルなのだがメルザードとの激闘で力を使い果たし、この世にはもういない。
他に何か良い案でもあるのだろうか……しかし拓也の自信ありげな表情を見るに何かきっと考えが思い浮かんでいることは間違いはなさそうだ。

「ホントに任しても大丈夫なのかよ?」

「あぁ もちろんだ 甲平以外のコマンダーを全部俺に預けてくれ」

「いいけど、何で? 全部一時的にしか使えないぜ?」

甲平が開発したビーファイターの変身アイテムは技術介入できる部分は完璧とは言え、一番必要な昆虫の精どころか代わりになるエネルギー体すら見つかっていない。
苦肉の策として昆虫の体液や樹液などを科学的に調合しアーマーの動力源にしているのだが、活動時間はせいぜい十五分〜二十分でそれ以上時間が経ってしまうと、アーマー鉛のように重くなり自由を奪われてしまうため、まだまだ実戦で使えるような代物ではないのは明らかだ。

「承知のうえだ ジャマールやメルザード一族のような人外の脅威には人間の力だけじゃ必ず限界がある……あてがあるんだ」

正直、今の甲平では頭打ちになっている状況だ。
甲斐拓也と言う先輩は何の策もなく、こんな発言を適当にする人間ではないことを知っている。
なら先輩に任した方がもしかしたらいいのかもしれない……甲平はそう思った。

「先輩、頼んだぜ」

自分以外のコマンダーを藁にもすがる思いで拓也に託すと拓也からの説得もあり、渋々コスモアカデミアを後にして帰路につく。
高校を卒業してすぐにコスモアアカデミアが設立した大学に入学、もうアメリカに着て早五年ほどが経過していた……最初は色々と戸惑うことも多々あり、カルチャーショックを受けることもしばしば。
今は英語も喋れるようになり、かなりアメリカでの生活に慣れてきた感はある。
毎回、自転車で通勤しているのだが、来た当初はタイムズスクエアを通るだけでかなり興奮していた記憶があるが今では何も感じない。
今日の晩ごはん用の冷凍のチキンナゲットとピザをスーパーで買って、アパートに戻る。
こんな早く、アパートに帰ってきたのはいつぶりか……でも早く帰っても結局やることと言えば大してない。
いつもと同じ、チキンナゲットとピザをレンジで解凍し、飯を食べながらある人物と連絡を取る。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
122Res/158.53 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice