【オリ】「君は、自分が壊れてしまうほど人を好きになった事があるかい?」
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18:名無しNIPPER[sage]
2018/03/09(金) 12:23:47.17 ID:uzy05gP60
「ねぇ」

まるで俺が人気のないところへ行くのを見計らっていたかのように、誰も居ない廊下で声をかけられた。

「え、あ…」

我ながら情けない反応だが、致し方ない。
何せ今俺の頭を悩ませている張本人が話しかけてきたのだ。

「この手紙…君の?」

そういって彼女が差し出してきたのは、昨日俺が机の中に投函した手紙だった。

「あ、あぁー…うん。ごめん、名前書き忘れて…」

「やっぱり?でも、ごめんね。文通とか面倒臭いから…普通に友達じゃダメかな?」

少しはにかみながらそう提案する彼女は、今まで見てきたどんな女性よりも美しく見えた。
あまりの出来事に言葉が出ないが、無反応もおかしいと思い、取り敢えず頷いておいた。

「じゃあ、私は戻るね」

そう言うと彼女は何でもない様に教室へと戻っていった。
彼女の背中を見送りながら、じわじわと喜びが湧いて出た。
これは思わぬ僥倖だ。まずは文通から、と思っていたのに、いきなり友達だなんて。
やはり彼女も俺の事が気になっていたのだろう。
暫く喜びを噛み締めていたため、購買に着く頃には飲み物くらいしか残っていなかった。


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