小日向「先輩! 今日はいっしょに帰りませんか?」【お散歩M@STER】
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2: ◆p//0egHBTakZ[saga]
2018/03/15(木) 17:55:58.48 ID:bWROEoz60
春のおわり。夏のはじまり。

夕陽がもったいぶって傾いてゆく午後五時過ぎの図書室を出て、西日の差す階段をこつこつ下りていると、後ろから聞きなれた声がする。

「おっと。一週間ぶりだね、小日向さん」

「はいっ。教室で勉強してたら先輩が下りてくるのが見えたから、追いかけてきちゃいました。えへへ......えっと、ご、ご迷惑じゃなかったですか?」

小日向さんが僕の立っている踊り場まで下りてくると、ぴょこんとはねた髪の毛が目の前で揺れて、その下に朱く染まったはにかみ顔がある。

「もちろんOKだよ。テスト勉強も飽きてきたし、久しぶりにのんびり川原でも歩きながら帰ろうか」

「やった! 私も勉強ばっかりで気が滅入っちゃってて。早くクラブのみんなと一緒におさんぽしたいな、って思ってたんですっ」

「でも、テスト期間中に教室でこの時間までひなたぼっこしてたら、また赤点ぎりぎりになっちゃうよ?」

「えっ、も、もしかして、うとうとしてたの見られてました?」

「アハハ、腕枕でお昼寝してたんでしょ? ここらへん、ちょっと赤くなってる」

自分の目元を指さすと、さすがに小日向さんも気づいたらしい。制服の大きなリボンの上に乗っかった丸顔が、リンゴみたいに赤くなって、かわいい。

「うぅ、本当に勉強しなきゃ、って思ってたんですけど、いい天気で日差しがあったかかったから、つい眠くなっちゃって......」

「気持ちはよく分かけどね。でも、まだこの時間は涼しくなるから、風邪をひかないようにしないと」

「えへへ、気を付けないとですね」

「もちろん勉強の方も」

「あうぅ〜」


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