小日向「先輩! 今日はいっしょに帰りませんか?」【お散歩M@STER】
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3: ◆p//0egHBTakZ[saga]
2018/03/15(木) 17:58:10.52 ID:bWROEoz60
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夕焼け色に沈む町並み。堤防上の道は、少し火照った体を川沿いの空気が冷やしてくれて気持ちいいです。ちょっとこそばい感じもしますね。

「風が涼しくって気持ちいいですね」

「うん。少し遠回りだけど、くたびれたときはここを通るようにしてるんだ」

先輩が両腕を空に持ち上げて、大きなノビをする。
普段のすまし顔がくずれて、眠そうなあくびをひとつ。肩の力が抜けた先輩は、ちょっと背が小さくなったみたいです。

「今日もがんばってたんですね。お疲れさまです!」

「ありがとう。まあ、受験生だから。これくらいで音を上げてはいられないさ」

「受験かぁ。先輩って、もう進路は決まってるんですか?」

「ある程度は。フレさんのところでもいいんだけど......」

フレさん......フレデリカ先輩は、私が一年生だったとき、クラブの三年生だった先輩で、今年から近くの私大に通ってます。この前も街で会って、一緒におさんぽしました。ちょっといきあたりばったりだけど、お洒落で優しい素敵な先輩です。

「一応、第一志望は〇〇大かな。やっぱり国公立の方がいいし」

「〇〇大......けっこう遠いところですね」

県外かぁ。P先輩の行きたいところだから、フレデリカ先輩みたいに会えなくなったら寂しい、なんて言えないけど......

「フフッ、僕もみんなと会いづらくなったら寂しいよ」

「えっ、わ、私、声に出てました!?」

「ん、何のことかな?」

びっくりして見上げると、先輩の顔はいたずらっぽくニヤニヤしてて。本当に、先輩は私が考えてることをすぐに見破っちゃいます。私って、やっぱり分かりやすいのかなぁ。

「ま、長い休みの間は帰ってこれるだろうし、受験生の間もクラブに顔を出せると思うから、もうしばらくは先輩風を吹かさせてもらおうかな」

「そうですよ! P先輩がいてこそのお散歩クラブなんですからっ」

「うーん、そこまで言われちゃうと責任重大だなぁ」

先輩はそっぽを向いて困ったように髪を掻きます。面倒くさそうに言っているけど、それが先輩の照れかくしっていうの、私だって知ってるんですよ!

......私もちょっと恥ずかしいこと言っちゃったなぁ。えへへ。


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