【艦これ】叢雲「甘えたな提督」
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15: ◆7OUWtrrklk[saga]
2018/03/22(木) 17:56:53.01 ID:i93qXE2v0
別に頭をなでられることが好きなわけじゃない。
 司令官以外の男に髪を触られると想像しただけで怖気がするし、最初のころは司令官にだって触られたくはなかった。
 いつからだろうか。司令官を他の奴とは違うと感じ出したのは。
 いつからだろうか。司令官が他の娘と話しているとイラっとするようになったのは。
 でも、これだけは覚えている。これだけは忘れられない。
 
満潮(……司令官って、あんな顔も、するのね)

 ある日司令官がとある艦娘と食堂で食事をしていた時だった。
 躓いてデザートのプリンを落としてしまった子にその艦娘が自分のプリンを差し出した。
 最初その娘は断っていたが、その艦娘が半ば押し付けるようにプリンを渡して、座っていた席、司令官の横に座って食事を再開した。
 すると司令官はその艦娘の頭を撫でて自分のプリンをあげていた。
 子ども扱いしないでよ、と怒るその艦娘に司令官は微笑んでいた。

 そう、微笑んでいたのだ。
 あの仏頂面で、何事にも厳格で凛々しくある提督が。

満潮(……べ、別に司令官が笑ったっていいじゃない。それに腹を立てるなんてお門違いだわ)
 
 でも、司令官は私に微笑んでくれたことはない。
 私の頭を撫でてくれたことはない。
 そのことが無性に、無性に、無性に無性に無性に無性に無性に無性に無性に無性に無性に……!

満潮「……ねえ、司令官。嫉妬深い女は嫌いかしら?」

提督「ん? ……いや、別に嫌じゃないぞ。それほど思ってくれるというのは男冥利に尽きるというものだ」

 そう言うと司令官はああ、と何か察したように呟いて私に笑いかける。

提督「なんだ、別に満潮は嫉妬深くなんかないぞ? こうやって私を気にかけてくれるいい娘だ」

満潮「……ふふっ。そう、それならいいわ。じゃあほら、もっと私の頭を撫でなさい」

提督「ああ、そのつもりだよ」
 
 だから私は提督を癒す。提督が私に微笑んでくれるように。


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