白菊ほたる「言えなかったこと」
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15: ◆cgcCmk1QIM[sage saga]
2018/03/24(土) 20:25:27.46 ID:bU2BHSY40
「―――君のエントリー用紙が来たとき、親御さんにも連絡をしたんだよ。そのとき、君の事を聞いた」

 穏やかに、Pさんが語りはじめます。

「不幸のこと。親御さんが君をとても心配していて―――だからこそ、アイドルになることには反対していた、ということも」

 ああ、ああ、ああ。

 考えてみれば、それは当たり前のことだったのでしょう。

 両親に、Pさんが話を聞いてないわけがありません。

 そしたら、私の不幸の事が知れないわけはありません。

「でも、それなら、何故……?」

「何故って?」

 私の問いに、首をかしげるPさん。

「不幸を呼ぶと知っていて、どうして私を、事務所に?」

 はっきりと、聞きます。
 
 だって、不幸を呼ぶと知っていれば、私を所属される理由なんて、無いじゃないですか。

「皆に正直に君の事を話して、相談して、それで決めたんだよ。満場一致、君を迎え入れようって―――だから皆、知っているんだ」

 さらっと答えるPさんですが内容はサラッとではありません。

「おかしいです。なんでそんな、そんな無茶なことを……!!」



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