曙「百年早い」
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10: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2018/04/26(木) 20:07:58.55 ID:zmYsrQkn0

「……別に、俺に相談しろというわけではないけど、無理をする必要はないぞ」

「そういうわけじゃない。みんな大切な友達よ」

「そうか」

 よかった、と言葉が漏れそうになるのは我慢した。こちらの心配を悟られたくはなかった。それは大人の対応ではないように感じられたのだ。
 見栄なのだろうか、よくわからない。

「潮はあたしと同じ中学校で、一個下。朧は隣の中学だけど、小学校は一緒だった。漣だけは私立の一貫性のとこ通ってるけど、部活の大会で顔だけは知ってた」

 強く握っていたせいだろう、猛暑で溶けたアイスの中身が、少しだけ溢れてこぼれる。

「座るか?」

 ベンチの隣を示してやると、驚くほどあっさりと曙は隣に座った。スカートを躾けながら座るという、ただそれだけの動作なのに、なんとなく曙も年頃の少女なのだなぁという感慨が襲ってくる。
 おいおい父親気取りかよ。自分につっこみを入れるが、思ってしまったのだから仕方ないと開き直ってやった。




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