18: ◆nmcoT1iylg[saga]
2018/04/26(木) 23:56:27.15 ID:f2WBlHUh0
とても美しくて、綺麗で、完成されているから。未完成な自分がそれを表現できないから。
その美しさを壊すのが怖かった。
大好きな「和」を、「和」が大好きだったはずの自分が壊してしまうことが怖かった。
「そっかぁ……。壊すことが怖い、か……」
「仕掛け人さま?」
まだ満開ではない藤の花を見つめながらそう言った。
「新曲のデモ、何回か聞いたけどなんというかすごく、和って感じだよなぁ」
「……そう、ですね」
「それでいて歌詞が綺麗で。リズムも単調じゃなくて跳ねるみたいで。すごく好きだなと思った」
「大和撫子をイメージして作られたんだなって思って」
そうだ。あれは大和撫子のための歌。大和撫子にしか歌うことが許されない。
それならば。
「やっぱり、私には……!」
あの歌を歌う資格など。
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