【ミリオン】君がいる愛しい世界
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8: ◆nmcoT1iylg[saga]
2018/04/26(木) 23:47:00.64 ID:f2WBlHUh0
 改札を通って、駅のホームで目当ての電車が来るのを待った。その間、エミリーは空を見上げていたような気がする。
 十分ほど待ったところで電車がホームに入ってきて、扉が開く。人が降りきるのを待ってから車内に入る。休日の昼間だというのにあまり人はいなくて、二人並んで座れる幅はいくつか空いていた。

「ちょっと遠いし座ろう」
「仕掛け人さま」
「なに?」
「……すみません、何でもありません」

 エミリーは取り繕ったように口角を上げる。たぶん謝ろうとしていたのだと思う。謝らなくてもいい、責任感じなくてもいいというのはきっと違う気がして。何も言わなかった。
 無理して笑っているのを見るのはやっぱり心にくるものがある。


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