118:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 20:22:17.27 ID:A6rjc17z0
 「お、おい。ひょっとして空調壊れてないか?」 
 「えっ?」 
  
  
  途中から、妙に暑いと思っていました。 
119:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 20:24:58.67 ID:A6rjc17z0
 「アタシの責任です」 
  
  スタジオの管理室で、トレーナーさんが頭を下げました。 
  普段の明るい彼女からは想像できない、悔しさに満ちた苦悶の表情です。 
  
120:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 20:27:14.97 ID:A6rjc17z0
 「私のせいじゃないのなら」 
  
  プロデューサーさんに、私は向き直りました。 
 「一体私は、何のためにいるのでしょうか」 
  
121:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 20:30:52.14 ID:A6rjc17z0
 「私は、ほたるちゃんのそばにいるべきではありません……!」 
  
  
  
 「おい、待て、美優さんっ!」 
122:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 20:34:18.53 ID:A6rjc17z0
  ――――。 
  
  
  部屋着にも着替えず、電気も付けず、ボーッとベッドにもたれながら、気がつくと陽が落ちていました。 
  
123:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 20:36:13.75 ID:A6rjc17z0
  と、そこへ――。 
  
 「……!?」 
  突然、携帯が鳴りました。 
  
124:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 20:38:08.46 ID:A6rjc17z0
 「えっ?」 
  
  電話口の彼女の第一声は、私が言うべき言葉でした。 
 『余計な心配を、かけてしまいました』 
  
125:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 20:39:47.78 ID:A6rjc17z0
 『あの後、プロデューサーさんと、お話したんです』 
 「プロデューサーさん……」 
  
 『私は、悔しかったんです。 
  美優さんが、一緒に出られなくなった事が……それが、私の不幸のせいである事も』 
126:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 20:42:16.32 ID:A6rjc17z0
 「わ、私が……?」 
  
  諦めた――確かに、アイドルとして出る事は、諦めざるを得ませんでした。 
  
  ですが、今さらどうこう出来るものでも無かったのです。 
127:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 20:46:19.61 ID:A6rjc17z0
 『いえ、美優さん……私の方こそ、勝手なことを言って、すみません』 
  
  ふぅ――と、気持ちを落ち着けるような、長い深いため息が電話口から聞こえました。 
  
  
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