133:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 22:34:07.28 ID:A6rjc17z0
  ――――――。 
  
  ――――。 
  
  
134:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 22:35:47.64 ID:A6rjc17z0
    ――おーい、ミィちゃーん? 
  
  
  遠くでふと、彼女を呼ぶ声が聞こえました。 
  
135:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 22:40:27.81 ID:A6rjc17z0
    ――この辺の人じゃないねぇ。どちらから来なさった? 
  
 「あ、えぇと……東京、です」 
  
    ――東京からねぇ。ここは何も無くて退屈でしょう、ホッホッ。爺さんの田畑しかねぇ。 
136:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 22:41:58.06 ID:A6rjc17z0
 「その子は、将来綺麗で可愛い子に、なると思いますか?」 
  
    ――もちろんさぁ。せがれの嫁さんに似て良かったよぉ、せがれの方に似なくてぇホッホッホ。 
  
 「あ、あの、だったら……」 
137:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 22:44:12.87 ID:A6rjc17z0
  アイドルに――――。 
  
  
  ――――? 
  
138:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 22:49:23.55 ID:A6rjc17z0
 「ゲロちゃん募金、すげぇ貯まったからさ。 
  フェスが終わったら、どっか卒業旅行にでも行こうぜ」 
  
  会場へ向かう車の中、運転していたプロデューサーさんが話しました。 
  
139:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 22:52:27.95 ID:A6rjc17z0
 「あれ、そういやネーサンは? 実家どこだっけ?」 
  
  ふと、思い出したようにプロデューサーが聞きました。 
 「ご両親もイイ歳でしょ? ずーっと働きづめで、全然お休み取ってないじゃん、ネーサン」 
  
140:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 22:57:26.12 ID:A6rjc17z0
 「えっ……あ、そうなのぉ!?」 
  一際大きな声で、プロデューサーさんがキョロキョロと事務員さんの顔を覗き見ています。 
  
  どうやら、彼も知らなかった事のようです。当然、私とほたるちゃんも驚きました。 
  
141:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 23:00:27.63 ID:A6rjc17z0
 「話を戻そう」 
  ふぅ、とため息をついて、事務員さんは後ろの私達に向けて手を上げてみせました。 
  
 「温泉でもどうだろう。関東圏内なら、箱根や群馬の草津温泉など、日帰りでも行ける所はある」 
 「えーやだよ日帰り、忙しいじゃん。ゆっくり一泊してこうぜ」 
142:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 23:04:53.12 ID:A6rjc17z0
 「え、えぇぇっ?」 
  困惑した様子で、ほたるちゃんがプロデューサーさんの方を見ました。 
  
 「どこぞの若手芸人ばりに、食い気味に「また私の不幸が皆々様にご迷惑をぉ〜!!」とか言い出したら」 
 「そ、そんなキャラじゃないです、私っ!」 
143:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 23:08:09.04 ID:A6rjc17z0
  大きな国立公園の、関係者専用の駐車スペースに案内され、車を降ります。 
  
 「そうだ。オバちゃんから高ぇタフマン、皆の分も買っといたから、本番前に乾杯しようぜ」 
  
  そう言ってプロデューサーさんが、手に持った袋から皆にそれを手渡しました。 
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