7: ◆U2JymQTKKg[sage saga]
2018/04/30(月) 23:57:03.65 ID:uVMGrv64O
「アイドル?アイドルってひびきちゃんみたいな?」
「おお、我那覇くんはうちの誇るアイドルだ」
高木は嬉しそうに笑った。
「どうだね、やってみないかい?」
「あの本気で言っているんですか……?」
私が声をあげると、「もちろん!」と男は大きく頷いた。
孫を見るとジッとしつつも、目をキョロキョロと泳がせている。
「無理にとは言わない。ただ、環くんなら必ずやトップアイドルになれると思う」
そう言って男は残りのお茶を一気に飲み干した。
「なぁに、返事はいつでも大丈夫だ。我が765プロはいつでも君のことを待っているよ」
そう言って孫の頭を撫でると、まるでいい話を報告し終えたサラリーマンのように颯爽と去っていった。
私は手に残った名刺に視線を落とし、縁側に目を写した。
孫は縁側に腰かけたまま上を見上げている。
空にはゆっくりと雲が動いていた。
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