藤原肇「ただ静かに、あなたのそばで」
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18:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 18:17:05.23 ID:6HNBSVHX0

 「あくまで推測の話にはなってしまいますが」

 「ああ」

 「恐らくは、桜以外をも指しているからだと思います」

桜たちがざわりと風に揺れた。
思わずそう感じてしまいそうになる、何ともタイミングの良い風だった。

 「Pさんは古文がお得意でしたか?」

 「ああ。熟睡するくらいにはな」

 「授業はきちんと受けなきゃ駄目ですよ」

 「受けてたら肇先生の授業が聞けないじゃないか」

 「……肇先生。いいですね、それ……」

 「すまん。話を戻してくれ」

ときどき、肇は自分の世界に浸ることがある。
肇がこほんと軽く咳払いをして、きりりと眉を正した。
俺は何も言わないでおいた。

 「……こほん。まず、学校古文において、『花』はほぼ『桜』を指します」

 「ああ、それぐらいなら分かる」

なら最初から桜と書け、と言いたくなるが。


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