藤原肇「ただ静かに、あなたのそばで」
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8:名無しNIPPER[saga]
2018/05/04(金) 22:28:11.88 ID:AZDT1Nlu0

ラジオを掛けようかとも思ったが、あまりそういう気分でもない。
隣の肇はどこかぼんやりとした表情で夜の街明かりを眺めていた。

 「今更だが」

 「ええ」

 「どうやって抜け出してきたんだ? 女子寮のドアはもう施錠されてるだろう」

確か0時前には閉まる筈だ。
良い子のシンデレラはお休みする時間、と言っていたのは誰だったか。
悪いことをしに行くので、で開けてくれるほど、寮監はお人好しじゃない。

 「寮は1階にも幾つか部屋がありまして」

 「ああ」

 「みくさん達に頼んで、窓からこう、しゅっと」

 「しゅっと」

 「あやめさんのように、鮮やかにとはいきませんでしたけれど」

浜口さんと比べるのは色々と厳しいだろう。
いったい何者なんだろうか、あの娘は。

 「前川さん達に何か言われなかったのか?」


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