【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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381: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2018/08/04(土) 18:21:56.33 ID:cEt2RuET0


まほ「―――いや、なんでもない」

エリカ「西住さん?」

まほ「すまない逸見。私はもう戻るよ。副隊長としてやるべきことがたくさんあるんだ」



そうだ、私は副隊長なんだ。

大勢の隊員の未来を預かっている人間なんだ。

だというのにこんなところで弱音を、それも後輩に吐いているようではいけない。

そんな弱い人間が、西住流の跡取りだなんて認められない。

私は立ち上がると、そのまま校門に向かおうと足を踏み出す。

しかし、



エリカ「まったく……そんなところまで似なくてもいいのに」



呆れたような逸見の呟きが、私を引き留めた。



エリカ「すみません、愚痴程度なら聞くって言いましたけどあれナシでお願いします。

    今のあなたをこのまま帰すのは、ちょっと寝つきが悪くなりそうなんで。……少し、お説教です」

まほ「……どういう意味だ」

エリカ「西住さん。今のあなたは出会った頃のみほにそっくりです」



逸見は遠くを見るように目を細める。



エリカ「あの頃のみほはまぁ酷い子でしたよ。いつもうつ向いて、人と話しているのに顔すらまともに見なくて、

    不満と不安をいつも抱えてるよな雰囲気で、助けを求めているのにそれを表に出さず口先で謝るばかりの子でした」



……ああ、よく知ってるよ。

生まれた時から一緒の妹の事なのだから。

明るく、元気なあの子がどんどん笑わなくなり、内に秘めた沢山のものを私にすら語らなくなっていた事を。

ベンチに座ったままの逸見は、私を見上げる。






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