【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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382: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2018/08/04(土) 18:23:37.61 ID:cEt2RuET0
エリカ「今のあなたはそれと同じです。知って欲しいのに、察してもらいたがってる。……私が一番嫌いなタイプです」
まほ「っ……」
突然、逸見の言葉から温度が消える。
見下ろしているのは私のはずなのに、見下されているような逸見の視線に私は一瞬、たじろいでしまう。
その居心地の悪さを振り払うように、だけど努めて冷静に反論する。
まほ「……何故お前にそこまで言われないといけない。お前が、私の何を知っているというんだ」
エリカ「そこで取り乱さない辺りはさすが年長者ですね。……でも、その質問はもう答えた事があります」
エリカ「あなた、自分の事を一つでも語ったことがありますか?」
氷の様に冷え切った視線に、声色に。私は心臓を握られているような感覚に陥る。
思わず目を逸らすも、冷たい視線がまったく揺らいでいないのを肌が感じてしまう。
まほ「……私は、西住まほだ。西住流の家元の家に生まれ、将来はそれを継いで―――――」
エリカ「それのどこにあなたの話があるんですか。私は『西住流の娘』じゃなくて、『西住まほ』の話が聞きたいんですよ」
苦し紛れの反論はバッサリと切り捨てられ、私はとうとう何も言えなくなってしまう。
エリカ「……みほは、あの子は相変わらず弱くてめんどくさい子ですよ。何かあるたびにエリカさんエリカさんって。
私が何度注意したってドジするし、この間だって自分の責任を誰かに肩代わりしてもらおうとしたり。ほんと、ダメな子ですね」
そう言いつつも、逸見の表情は柔らかく、その言葉に字面通りの意味が込められているとは到底思えない。
だけど、すぐにその表情は引き締まり、私をじっと見つめる。
エリカ「でも、今のあなたよりはよっぽどマシです」
あまりにもストレートな侮蔑の言葉。
その物言いに不快感より前に動揺を覚えたのは私が未熟な故か、
あるいは、逸見の口からそのような言葉が出たのが意外だったからか。
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