【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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405: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2018/08/04(土) 18:46:40.63 ID:cEt2RuET0
エリカ「私、昔から戦車が好きで、戦車道も戦車に乗れるから始めたんですよ。だから、正直戦車道の良さとか楽しさはよくわかりませんでした」
あんまりにもあっさりと言うものだから流しそうになってしまう。
まほ「え……?」
エリカ「バンバン撃って、ガンガン進みたいのに、作戦とか戦略とかが煩わしくて。地元のクラブもあんまり楽しくなくて」
あの逸見が、誰よりもひたむきに戦車道に取り組んでいる逸見が。
戦車道を楽しいと思えなかっただなんて。
エリカ「でもあなたの試合を見て、戦車道ってあんなに綺麗なんだって。あんなに――――楽しいんだって思えて」
あの頃の私はまだ、自分が背負うたくさんの重荷に気づいていなかった。
ただ目の前の勝負に勝ちたくて、そうするとお父様が、お母様が、みほが、嬉しそうにしてくれたから。
それが、嬉しくて。
……ああ、そうだ。あの頃の私は――――戦車に乗ることが、戦車道が楽しかったんだ。
エリカ「たぶん、あの試合を見なければ私は姉と同じ地元の公立校にでも進学していたと思います。
戦車道だって、ただの趣味の延長ぐらいで終わっていたと思います。……いや、中学に上がったらもうしなくなってたかも」
逸見は、選ばなかった選択肢を少しだけ寂しげに語る。
その表情は何を思っての事なのか。私は推し量ることができない。
だけど次の瞬間、逸見の表情はパッと明るくなる。
エリカ「でもそうはならなかった。あなたの姿が、私の人生を変えました。
戦車道がもっと強くなりたい。この競技で私の人生を満たしていきたい。って。
あの程度の事で私、親に頭を下げて高い学費払ってもらって、受験勉強して、ここに来ました」
「まぁ、だからって追いつけたわけじゃないですけどね」。逸見はそう言うと夕焼け空を見上げる。
エリカ「勢いだけでここまで来ちゃいましたけど、私は後悔したことはありません。だって―――――私、今楽しいですから」
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