【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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464: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2018/08/18(土) 22:06:49.00 ID:CqMCvVly0
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楽しい時なんて一瞬で、今度こそパーティーは終わりを告げ、エリカさんと赤星さんも帰る時が来てしまった。
小梅「それじゃあみほさん。また明日」
エリカ「さっさと寝なさいよ」
口々に別れの言葉を言ってくる二人に、私は胸の内の寂しさが出てこないようあえて明るく振舞う。
みほ「二人とも、今日はありがとう!!」
小梅「良いんですよ。私も楽しかったですから」
エリカ「感謝してるのなら、戦車道で返しなさい」
笑顔でこちらを気遣った返事の赤星さんに対して、無表情のエリカさん。
隣に立つ赤星さんの「この人はもうちょっとこう、柔らかい言い回しができないんでしょうか……」という呟きははたしてエリカさんにどう受け取られたのか。
私の言葉を待たず、もう言いたい事は言ったと言わんばかりに、エリカさんはそのまま扉を開いて振り向きもせず出ていく。
赤星さんは私に軽く手を振った後、その後を追っていく。
外にまで見送りに行こうかと一瞬体が動くも、それを無理やり押しとめる。
もう少し、もう少しと、二人の家にまで見送ってしまいそうだから。
その後、一人で帰る自分を想像したら寂しさに圧し潰されそうだから。
扉が閉まり、二人の足音が遠ざかっていき、それも聞こえなくなる。
そうなってようやく私は、無理やり釣り上げていた頬と唇を降ろすことができた。
少しこわばった筋肉を指先でほぐしながら、私は大きなため息をつく。
作り笑いなんて随分久しぶりだった気がする。
それこそ、1年の時以来だろうか。
エリカさんと出会ってから、私の表情から作り笑いが無くなった。
楽しい事を、悲しい事を、怒ったことを、喜んだことを。
しっかりと声と顔と行動にだせるようになった。
でも、だからこそ。
今日みたいに大切な人たちと過ごす時間を全力で楽しめる分、寂しさもひとしおになってしまう。
それはまるで大きな波のように、私にたくさんの喜びを抱かせ、それが引いていくように私の奥底の寂しさを露わにしようとする。
だから、踏ん張って作り笑顔で二人を見送った。
せっかく祝ってくれたのだから最後まで笑っていたいから。
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