【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
↓ 1- 覧 板 20
463: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2018/08/18(土) 22:03:00.67 ID:CqMCvVly0
私にそう言って、再び窓の外を見つめる。
確かに、私から見てもお姉ちゃんは良いお姉ちゃんだけど、エリカさんのお姉ちゃんは、エリカさんにとってはいいお姉ちゃんではなかったのかな……
でも、エリカさんみたいに綺麗な妹から嫌われているのは、ちょっと気の毒だな……
会ったこともないエリカさんのお姉ちゃんに少し同情していると、ふと気づく。
エリカさんの視線は、先ほどから窓の外を見つめたまま動いていない。
だけど、その瞳は夜空を見上げているわけではない。ならば何を見ているのか。
たぶん、エリカさんが見ているのは空の向こう、海の向こうの、エリカさんが最も長い時間を過ごしてきた場所。
優しく、懐かしむようなその表情は、その場所が彼女にとって大切な場所なのだと一目で感じさせる。
みほ「……エリカさん」
エリカ「何よ」
みほ「お姉ちゃんの事、大好きなんだね」
エリカ「……帰省するたびに猫かわいがりされるのは大変よ?」
私は思わず笑ってしまう。
だってエリカさんは相変わらず素直じゃないんだもの。
私は、『お姉ちゃん』としか言ってないのに、エリカさんは自分のお姉ちゃんの事なのだと思ったのだから。
それだけで、言葉にしていない思いが充分に伝わってくる。
小梅「エリカさん、家族にもそんな感じなんですね」
みほ「ねー」
赤星さんも同じことを思ったようで、クスクスと笑う。
きっと、エリカさんのお姉ちゃんも同じように思っているのだろう。
姉からすれば、こんなにも可愛らしい妹を可愛がるな、なんて無理なのだから。
顔を見合わせて笑う私たちを見て、エリカさんは唇を尖らせると、
「うるさいわよ」と、私たちの額にデコピンを叩き込んだ。
978Res/708.34 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20