41: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/23(土) 06:49:28.16 ID:NI6HsOLJ0
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 「はい、これでおしまいです」と、星梨花がにこやかに宣言した時には既に、 
 響が浴槽の縁にうつ伏せるように頭を押しつけ、だんまりと大人しくなってから長い時間が経っていた。 
  
 すっかり頬を紅潮させ、びくんびくんと痙攣したように肩を震わせる姿はまるで激しい情事の後のよう。 
  
 彼女がはぁ、ふぅと喉に絡みつくような吐息を口から漏らすその度に、 
 はだけたタオルから覗くご立派な胸が膨らみしぼむ。 
  
 「……響さん?」 
  
 そうして、そんな響の様子を心配した星梨花が晒されたうなじに指を置いた時だ。 
  
 少女は弾かれたように頭を跳ね上げると、今までで一番高く、甘い声で鳴いた。 
 キリキリと引き絞られていた矢が遂に放たれた瞬間だ。 
  
 残響は長く浴室に残り、ようやく蛇口から漏れ落ちる水滴の、 
 湯船を打つ音が聞こえるほど室内が静かになった時。 
  
 「ふ、えぇ……。ふぇえ、ふぇっ」 
  
 顔を上げた響の眦には涙が光っていた。 
  
 まるで限界まで我慢していたのに、 
 トイレを目前にして粗相をしてしまった幼子のようにしゃくりあげる。 
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