勇者「休暇?」女神「異世界転生しすぎです、勇者さま」
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407: ◆Rr2eGqX0mVTq[saga]
2018/08/01(水) 01:41:18.50 ID:9OC/ch8I0
山が消えたこともあって、村の人たちはみんなあれを脅威だと認識したようで、私とは逆方向に逃げていく。

それを横目に大方の人の流れと逆走する私は、何度もいろんな人に止められかけたが、それらの手をくぐり抜けるようにして先へと進んだ。

「はぁ、はぁっ」

普段運動をしなくなったせいで肺が痛い。息もすぐに切れてしまい酸欠気味だ。

そんな既に疲労困憊状態で、山の麓に立つ。

隣の山を吹き飛ばしてからは、何も起こっていない。次に何か起こるとしたら、もうそろそろなのかもしれない。
 
「ち、近づくのは、危ない、かな……?」

今更になってそんなことを言う自分もどうかと思ったが、何が起こるかもわからない得体の知れないものにこれ以上近づくのは気が引ける。

一歩、退こうとしたその時、背後でザクリと地面を踏みしめる音。

「えっ……?」

振り向くと、毛むくじゃらの巨大な何かがあった。

茶色の体毛が全身を覆い、顔の部分に異様なまでに大きな目玉が一つある。人間でないのは明らかだった。

「ぐふぅ……!」

口らしきものが動き、この世のものとは思えない声とともにニヤリと笑う。


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