紬「フェアリーのFはフォーエバーのF…?合言葉?」
1- 20
12: ◆a/VLka4bp3Eo
2018/06/30(土) 19:00:17.79 ID:KY+4F9Bu0
 空にはまだ月はない。
 夕日は雲と眼下を染め上げている。
 見渡せば、ネオンや街灯がそこらに光を灯し、ビルもまたその中から光を放っている。
 すぐそばの道路でも、ヘッドライトをつけたばかりの車が走り始めていた。

 午後6時。そんな時間にこんなのんびりするのもなかなかない。
 特に劇場の屋上に出てたった一人で一休み、なんてことは稀だ。
 たとえ暇があっても、頻繁にこの劇場では誰かの相手をしている。

 そういえば、なぜ屋上にでる羽目になったのか。
 田中琴葉が思いつめた顔で屋上に向かっていたからだったか。
 それとも、いつも使っているデスクの前で篠宮可憐が自分の衣類に包まれてテンションを上げていたからか。
 はたまた、天海春香に何故か自分の目覚ましについて言及されて逃げてきたからか。
 あるいは、事務仕事が終わり、飲みたいなあー連れてってほしいなーという雰囲気を見せつけてきた馬場このみに一旦冷静になる機会を与えたかったからか。

 ―――いや。

 琴葉は探し物をしていただけで。
 可憐についてはいつものことで。
 春香に聞かれてやましいことなんて特にはなく。
 このみさんと飲みにはいくつもりだった。

 じゃあ、なんなんだろうな、と思って外から屋上の入り口に目を戻すと、

「―――あなた様」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
23Res/22.90 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice