1: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/07/09(月) 14:49:24.46 ID:9GZaroLJ0
 
 暑い、すごく暑い、とにかく暑い。 
  
 今日の暑さは私から思考力を奪い去っていきました。 
  
 短すぎる梅雨を終え、まさに季節は夏へと変貌しています。 
  
 いや、思えば梅雨が始まる前から夏ではなかったか。 
  
 「暦の上では」なんて使い古された文句、いくらなんでも時代遅れではないだろうかと思っていましたが、一周回って現代に対応していたようです。 
  
 まあ、しばらくしたら「暦の上では秋」なんて言うお天気お姉さんに、そんなものは妄言だと悪態をついている未来が見えますけどね。 
  
 現在私はソファに寝転びながら愛用のタブレットで動画を見ています。片手で器用に操作をしながらもう一方の手にチューペットを持っています。 
  
 チューペットの片割れは近くの机でロボットを作っている晶葉さんが咥えています。作業に夢中になっているのか、全然減っていません。溶けてしまいますよ。 
 
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2: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/07/09(月) 14:50:05.05 ID:9GZaroLJ0
  
  
 今私達は事務所にいます。都会のコンクリートジャングルにおいて、オアシスのはずだったこの場所は、エアコンの故障により砂漠に変わりました。 
  
 折角の休日、暇をもて余した私達は蛾が電灯へと群がるかのようにこの場所へ足を運びました。 
3: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/07/09(月) 14:51:23.38 ID:9GZaroLJ0
  
  
 「Pさんはなんて呼びますか?」 
  
 「ポッキン」 
4: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/07/09(月) 14:52:22.24 ID:9GZaroLJ0
  
  
 「というか、晶葉さんが直せばいいのでは?」 
  
 「いや、私もそう思うのだが……」 
5: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/07/09(月) 14:53:04.63 ID:9GZaroLJ0
  
  
 「ポンコツなのでは?」 
  
 「ああ!言ってはいけないことを」 
6: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/07/09(月) 14:54:17.51 ID:9GZaroLJ0
  
  
 ふう、幾分か涼しくなりました。そこで私は思い立ち冷蔵庫へ歩を進めます。 
  
 仲直りのしるし、二人で一つのものを分かち合う。 
7: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/07/09(月) 14:54:54.36 ID:9GZaroLJ0
  
  
  
 「二本目とはいい御身分だな 」 
  
8: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/07/09(月) 14:55:45.41 ID:9GZaroLJ0
  
 もうこの状態のちひろさんがずっと隣にいてくれたら涼しいのでは?いえ、それはあまりにも恐ろしすぎます。 
  
  
 「ありすちゃんはなにか言いたいことでもありますか?」 
9: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/07/09(月) 14:56:12.24 ID:9GZaroLJ0
  
 「二人が喧嘩するのでこれから事務所内ではポッキンに統一しましょう」 
  
 「賛成です」 
  
10: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/07/09(月) 14:56:55.00 ID:9GZaroLJ0
  
  
 しかし、満足げなPさんとちひろさんを見ていると、なんだか一杯食わされた気持ちになります。大人はいつだってずるいものです。 
  
  
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