83: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/16(月) 21:48:11.86 ID:TQ5drJ1c0
 「どうだ!」 
  
 「とてもかわいい」 
  
 「そ、そうか?」 
84: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/16(月) 21:52:11.78 ID:TQ5drJ1c0
 「まず始めに名乗っておくぞ! 私の名前はアンチョビ! アンツィオ高校で戦車道の隊長をやってるぞ!」 
 「……とはいえ、私のことを知ってる人もいると思う。私たちの戦車道は、こっちの世界ではガルパンって呼ばれてるみたいだからな」 
 「まぁ信じてくれる人だけ信じてくれたら嬉しいんだが、私はガルパンの世界から、こっちの世界へ出てきてしまったんだ」 
 「あぁああ急にこんな話を聞いて信用できないのはわかる! でももう少しだけ聞いてくれ!」 
 「とりあえず、私がこうしてここにいることとか、喋ってることを色んな人に知って欲しいんだ」 
85: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/16(月) 21:55:30.83 ID:TQ5drJ1c0
  しかし俺の言葉に、アンチョビは納得のいっていないような表情を見せる。 
  
 「んー、戸庭、なんか反応が薄いな」 
  
 「感情表現が苦手なので。点数にすると90点超えは固いよ」 
86: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/16(月) 21:59:20.19 ID:TQ5drJ1c0
  とにかく、公開する動画が出来上がったので、あとは編集&圧縮、ツイートをするのみとなった。 
  ツイートの時刻は17時30分に決めた。 
  
 「なんで夕方なんだ?」 
  
87: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/16(月) 22:01:14.60 ID:TQ5drJ1c0
  あらかじめ、ツイッターアカウントは作成しておいた。 
  表示名はシンプルに『アンチョビ』だ。 
  プロフィール欄には、ガルパンの世界から出てきてしまった件など、動画で話した内容を短くまとめて記載してある。 
  まだツイートは一つもない。 
  
88: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/16(月) 22:04:37.70 ID:TQ5drJ1c0
 「さあ、どうだ!」 
  
 「ちょっと待って」 
  
  アカウントのフォロワーは俺一人だ。 
89: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/16(月) 22:06:04.01 ID:TQ5drJ1c0
 「これは、凄いんだよな!? な!?」 
  
 「うん。すごい」 
  
  画面を更新する度に、それぞれの数字が増加する。 
90: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/16(月) 22:08:41.09 ID:TQ5drJ1c0
  俺のアカウントにもリプライがあるので、こっちも同じ作業に移った。 
  
 「本物みたいですね」「よく出来てますね」「マジですか?」とか、そんな反応全てに「本当ですよ」と返す。 
  
  アンチョビの方には、俺の方よりも具体的な質問が多かった。 
91: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/16(月) 22:10:55.58 ID:TQ5drJ1c0
  夕飯を食べるのも忘れてツイッターに没頭し、お互い、気付いた頃には午後10時を回っていた。 
  
 「腹減った」 
  
 「……夜も遅いけど、パスタでも茹でるかあ」 
92: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/16(月) 22:13:26.80 ID:TQ5drJ1c0
  2017年11月25日。土曜日。 
  
  昨日やり取りをしていた友人が、別の友人を引き連れて我が家へやってきた。 
  
 「うっわ、マジやんけ」 
93: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/16(月) 22:14:36.80 ID:TQ5drJ1c0
 「で、君らは何しに来たわけ?」 
  
 「なんかツイッターで変なこと言ってるからおちょくりにきた」 
  
 「俺もまぁ気になって真相を確かめに来た感じだよね」 
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