照「わたしに妹はいない」久「……そう」
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2:名無しNIPPER
2018/07/27(金) 14:46:07.01 ID:YwSoJMOz0
「今さらだけど、このタイムスケジュールおかしいわよね」

「なんの話じゃ」

会場の近くにあるコンビニで買った六人分のタコスやら飲み物やら、私とまこはそれらの入った手提げ袋を揺らしながら部員たちのいる待ち合い室へと向かい廊下を歩いていた。

「この大会よ。ほら、個人戦の5位から16位を決める試合は決勝前には終わってるじゃない?」

「じゃのう」

「だったら決勝の間にその選手の分のインタビューとかは進めておけるでしょ。なんでそうしないのかしら」

疑問というよりは文句に近い口調で言う、けれど本気で不満には思ってない。


清澄高校からは二人の選手が全国大会個人戦に出場している。

咲と和、高校一年生ながらにして全国出場の権利を得た二人は、これもまた高校一年生ながらにして準決勝、ベスト16まで勝ち上がるという快挙を成し遂げた。

後輩がマイクを向けられる側に立つんだし嬉しくないわけがない。自慢じゃないけどちょっとくらいは彼女たちを育てられたと思ってるし、ほんの軽口だ。

「記者にも都合があるじゃろ、決勝観ずにインタビューなんかしとったら決勝に出た四人への質問とか困るじゃろうし」

「決勝とそれ以外で記者を別にすればいいじゃない」

「そんなに人手割けんわ普通」

「あーあー、ちゃっちゃと荷物纏めて引き上げたかったのに」

まこが呆れ顔を浮かべる。短くはない付き合いだ。冗談半分で言っていることはわかっているんだろう。そんな都合のいいことを考える。

「さっきの和への会見、20分近くかかってたのよ、予定だと10分なのに。スケジュールの意味なくない?」

「そりゃあ……まあ和だしのう。心配せんでも咲のは時間通り終わるじゃろ」

身も蓋もない言い方だとは思うが、確かにそうだ。去年の麻雀全中覇者であの容姿では仕方ない。
基本的には今後の抱負やコクマのことなどを形式的に聞いてインタビューは終わりらしいけれど、和は例外でいろいろ訊ねられたみといだ。


「マスコミも現金ねぇ」

わかりきっていたことを、何の気なしにごちる。


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