照「わたしに妹はいない」久「……そう」
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3:名無しNIPPER
2018/07/27(金) 14:47:04.07 ID:YwSoJMOz0
会話の一区切りとみたからなのか否か、まこの視線が前方に向きを変える。その先にある丸の下に三角というシンプルな絵を見て、まこが言う。

「……すまん、ちょっと寄ってええか」

「あら、トイレ?いいわよ、前で待ってるわ」

「ほい」

まこが荷物一式を手前に差し出す。はて、これはいったい。

「ええわ、先行っとれ」

えーっと、まこが持っているのはタコス4個と弁当二つ、それに緑茶一本。手持ちの鞄は持ってこなかったみたいだから、全部で3kgってところかしら。
私のも同じくらいだから倍で……。

「遠慮しなくても、待ってるわよ」

「遠慮なんかせんわ、冷えたもんとか炭酸もあるから先行け言うとるんじゃ。優希が腹空かして待っとるしのう」

「えー」

そう言われては弱い。去年までの可愛いげがあった後輩という像はどうやら鬼の被っていた皮だったみたいだ。一応抵抗してみよう。

「流石に一人で六人分は重いわよ」

「あんたぁいつもは京太郎にもっと重いもん任せとったじゃろ、もう試合にも出んのじゃからそのくらい働きんさい」

一蹴された。鬼というのは取り下げとこう、まこが鬼なら自分も鬼ということになってしまう。

「はぁ……わかった。先に待ち合い室戻るわね」

「わかればいいんじゃ」

渋々という顔を全面に出してアピールしてみるも特に気に止める様子もなく、まこは赤いほうのピクトグラムがぶら下がる部屋へと入っていった。


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