照「わたしに妹はいない」久「……そう」
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9:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 15:01:54.50 ID:YwSoJMOz0
3秒くらいだろうか、あるいは10秒くらいか。ふいの失言でから回った体内時計では宮永照の口が固まってからどれくらいの間があったのかわからなかったが、ふたたび正常に動き出す。

「……たしか、マネージャーの須賀くん。これで、四人」


いや、うん。確かに他の四人とは言ったけども。団体のメンバーとは言ってないけども。その繋ぎは無理があるってものではなかろうか。


「……へー、男子部員まで知ってるのね。名門恐るべし」

「まぁ」

「でも男子の方まで調べる意味あるの?」

「場合によっては……」

「そうなんだ。あ、でも彼マネージャーじゃなくて一応選手よ?」

「へぇ」

「……」

「……」

暖簾に腕押し。柳に風。愛宕洋榎に悪待ちリーチ……は、まだわからないけど。

仕方ない、大人しくしよう。これ以上やっても変な空気が蔓延するってものだしね。



「……」

「ここまでで大丈夫」

「え?」

意外にも沈黙を破ってきたのは向こうからだった。思わず聞き直してしまう。

「案内はここまでで大丈夫、あとはわかると思う」

「いいの?」

「うん、もう近いし……一応何回かいったことあるから」

わかりやすい拒絶だ、傷付くなぁ。とはいえ本人がいいって言ってるんだし、ここでお暇するとしよう。

「わかった、じゃあまたいつかね」

「うん、ありがとう……部長さん」

少しの間手を振って、ちょうど彼女が曲がり角に消えるあたりで私も踵を返す。
ふぅ、なんとか切り抜けた。コミュニケーション能力には自信があったけれど、あればかりはどうしようもない。ちゃんと目的は達成したし一件落着だ、よかったよかった。


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