川島瑞樹「ミュージック・アワー」
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21: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 01:02:10.65 ID:Ai+XpKnp0
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ミニライブ当日。

デビュー曲の歌詞も、振り付けも完璧に頭に入っている。
問題は、衣装だった。

襟が白く、やたとくっきりと大きい、青のワンピース。
ところどころにラメが入っていて、輝きがけばけばしい。

曲調が80年代だからって………。

瑞樹はふっと微笑んだ。早苗の顔が浮かんだ。
早苗なら喜んで着るだろう。

その衣装を着て、仮控え室に運ばれた姿見にうつる自分を、しげしげと眺める。
でも、ずっと若々しく見える。
まるで、アイドルみたい。

瑞樹はもう1人の自分の輪郭をなぞろうとして、指がふれあう。冷たい。

「お似合いですよ」

瑞樹が振り返ると、プロデューサーがいた。
スーツではなく、白いシャツと真新しい紺黒のジーンズ。私服のようだった。
瑞樹は、わけもなく羞恥心を覚えた。

「嫌味だわ。28歳の女に、こんな服を着せて」

「スク水の方がよかったですか」

「今日の衣装は最高ね! ライブの後脱ぐのがもったいないくらいだわ!」





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