14: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/08/10(金) 00:08:40.89 ID:OipDTOFK0
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用意していた花束を持って店内に戻る。
抱えると私の顔がすっぽりと覆われてしまう程の大作だ。
それを見て男性は「おお」と感嘆の声を上げた。
内心でガッツポーズをして、花束に使用した花を簡単に説明していった。
男性はそれを、ふんふん言いながら聞いてくれて、最後に「いい仕事をありがとう。今日は妻の誕生日なんだ」と笑った。
「奥様、喜んでくださるといいですね」
「喜ぶさ。花に興味のない私でも、素晴らしいと思うくらいだからね」
こうも臆面もなく、ともすればクサいと取られても仕方のないことを言うか。
そしてそれで様になっているのだから、すごい。
というか、流石に私も照れる。
あはは、と照れ笑いのような愛想笑いのような何かをして、お代を受け取った。
そうして男性は「では」とまたしても綺麗なお辞儀をして、帰って行くのだった。
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