13:名無しNIPPER
2018/08/15(水) 00:39:57.86 ID:U6hC9mgbO
   ボロボロになったロボットくんが、草原に立っています 
   かつて夢見た理想郷。  澄み渡った青空と、果てもないみどりの草原 
 夢のそのままのように描き出した場所 
  
  
   ひとつの人影が、ロボットくんを迎えるようにやってきました 
   美しい少女です。  美しい空色のドレス。  剣を持つにはあまりにも頼りない華奢なからだ。  風にたなびく、忘れようもないその金の髪 
  
   ロボットくんは足を動かします。  とうに錆びついたその足は、ブリキの心は本来もう動くはずがありません 
   でも、ここで彼の足が動かないはずはないのです 
   何故なら、彼はいつもそうだったから、錆びついた足を、ブリキの体を、動かし続けてきたのは、理想を美しいと思うその心だったのですから 
  
  
  
  「ーーー」 
  
 彼は少女の前に辿り着きました 
 終わらないと思っていた旅の終着地 
 そこに辿り着いた彼は、でもまさか本当に終わるとは思っていなかったのか、少女に何と言葉をかければ全く考えていなかったようなのです 
  
 いえ、考える必要はなかったのです。 何故なら、彼はずっとその言葉を大切に胸の奥にしまっていたのですから 
  
  
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