千歌「えっ曜ちゃん水泳部辞めちゃうの?」
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5:名無しNIPPER[sage]
2018/08/20(月) 18:03:28.73 ID:qQEfqLmH0
「それでさー」


曜「……」ぽかーん


「明日転校生来るんだって!」


曜「……」ぽかーん


このときの僕は放心状態だったという。

転校生が来る、という情報にも関心を示さず絶えずなにやらわけのわからぬ言葉を呟くさまをさながら何とかのようだとその場で評されたが、その喩えが何であったかも覚えていない。


今日の以降の授業はすべて、千歌ちゃんの背中を眺めながら過ごした。

この日千歌ちゃんは授業中一度も振り返らなかった。

僕の顔を見ようとは、決してしなかった。


いつき「曜ちゃん……だいじょうぶ?」


サボらず授業に出ているのに、寝るでもなく教科書を開くでもなくただぼうっとしていた僕を見かねたのか珍しがったのか隣の席のいつきちゃんが声をかけた。


曜「……」


しかし僕は記憶にないが、ただ小さくうなずくだけだったらしい。

そのうえこの日生徒会室を出る頃には、その死んだ目とぽかんと開いた口とは絶望の体現をしたかのように感じられたそうだ。


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