生徒会長「君の名を呼びながら胸を揉むと、すごく気持ち良いんだ」庶務「はい?」
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30:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/24(金) 23:49:05.37 ID:a6hnrGwy0
「そもそも付箋のメッセージは君の芸だろう」

ひらひら付箋を振りながら、昔話をする会長。

「あれは1年の頃だったか?」
「……気づいていたんですか?」
「当たり前だ。君はわかりやすいからな」

まさか、気づかれていたとは。

1年の時、俺は会長と同じクラスだった。
会長はまだ生徒会長ではなく、学級委員長。
面倒な仕事を押し付けられて、気の毒だった。
何か手助けをしたくて、こっそり手伝った。
その際、一度だけ付箋にメッセージを添えた。

「内容は『いつもありがとう』、だったか?」

それは奇しくも、同じ内容。絶対狙ってる。

「こちらこそ、ありがとう。嬉しかったよ」
「……左様でございますか」
「ああ。だからこそ、君を庶務に抜擢した」

なるほどな。道理でおかしいと思ったよ。

「手伝わせてくれて、ありがとうございます」
「こちらこそ、手伝ってくれて、ありがとう」

精一杯の虚勢を張った俺に対して。
会長は満面の笑みでそう答えた。ずるい。
口頭で感謝をされると、気恥ずかしい。
やはり、会長には敵わないなと思いつつも。
同時に、ちょっとだけ親近感が湧いた。
この人も俺と似たようなことをしている。
意外と子供っぽくて、わがままな一面もある。

存外、高嶺の花では、ないのかも知れない。

今はまだ、恥ずかしくて顔も見れないけれど。
いつか、面と向かって直接、想いを告げよう。
俺は貴女のことが好きだと真っ直ぐ伝えよう。
いや、そんな度胸はないから、付箋を使おう。
たぶん、この人ならば、呆れつつも、きっと。

笑って、受け取ってくれる、そんな気がした。


【会長から庶務宛ての付箋の伏線】


FIN


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