まほ「まさか、みほと入れ替わってしまうとはな……」
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14:名無しNIPPER[saga]
2018/08/31(金) 19:17:10.85 ID:33mytLdE0
 だが、まほの一撃が学園艦を穿つことはなかった。

まほ「っ!?」

 止めざるを得なかった。振り下ろそうとした右腕に、みほが絡み付いている――昏倒させた筈の、みほが。

みほ「させ、ないっ」

 腕の中で暴れるみほを、まほは素直に手放す。下手に力を入れると、みほを傷つけてしまうからだ。

まほ(……私らしくもないな。みほ相手とはいえ、手加減をし過ぎたか)

 こちらに向き直り、ふらふらとよろけながらも構えをとるみほ。

 無駄に苦痛を与えてしまったな、と己を戒めながら、まほは再びみほの背後に回る――と、見せかけて、みほの正面に移動した。

 再びまほが背後に回り込むと予想したみほは、自らまほに首筋を晒してしまう。そこに再び、そして慎重に戦車道力を右手に集中させ、手刀を打ち込む形になった。

みほ「ぐぅっ……」

まほ「……なんだと?」

 今度ははっきりと疑問を浮かべて、まほは目の前の妹を見つめた。打たれた箇所を抑えながら、それでも必死にこちらに振り向こうとするみほを。

 手加減をしそこなった、ということはない。先ほどの一撃は、厳密に戦車道力を調整した上で放ったものだ。

まほ(想いの力だけで耐えたとでも……? 有り得ない)

 三度目の正直。再び、まほはみほの背後を取ろうとし――そして、三度目の驚愕と相対した。

まほ「……!?」

みほ「そ、こ!」

 みほが、まほの動きに合わせて振り向こうとしている。こちらの動きに対応をしている!

 足を止め、まほは後方に跳躍した。距離をあける。

「おお、姉上殿がひいたぞ!」「隊長、頑張って!」「みぽりん……」

 みほに向けて注がれる声援。

まほ(だが、そんなもので結果は変わらない……変わらない、はずだ)

 それでも事実は認めなければならない。みほは自分の一撃を3度、耐えて見せた。偶然ではない。有り得るとすれば――



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