まほ「まさか、みほと入れ替わってしまうとはな……」
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6:名無しNIPPER[saga]
2018/08/31(金) 19:12:43.43 ID:33mytLdE0
まほ「……やれ、小梅」

エリカ「なっ、がっ!?」

 まほの呟きに反応して振り返るよりも早く、エリカの口に背後から枷が嵌められる。

エリカ(小梅!?)

 肩ごしに振り返ってみれば、エリカの背に馬乗りになった赤星小梅が、枷の錠を落とし、さらにエリカの腕を容赦なく捩じ上げていた。

 小梅の戦車道力はエリカよりも劣るが、戦術で覆せないほどのものではない――背後からの強襲に、まんまとやられた形だった。

 エリカの噛む力は凄まじいが、開口力は十人並だ。特殊カーボン製の口枷をつけられては、D・E・Rを放つことはできない。

小梅「……終わりました、隊長」

まほ「ご苦労……おや、エリカ。不思議そうな顔をしているな?」

 嘲笑も憐憫もなく、常の無表情のまま、まほはゆっくりと地べたに這いつくばるエリカに近づいてきた。

まほ「何故、小梅が……とでも思っているな? 甘い、甘いぞ、エリカ。理想的な戦争とは、開始前に勝利することだ」

まほ「お前が反旗を翻すことなど想定内。だから、最初に小梅を引き込んでおいた」

まほ「みほが戻ってくる。また一緒に戦車道が出来る。そう言ったら、二つ返事で了解してくれたよ」

エリカ「……っ!」

小梅「……だって……みほさんが、黒森峰に帰って来てくれるんですよ……? エリカさんだって、分かってくれますよね?」

エリカ(違う――違うわ、小梅! みほは帰ってこない! 仮に学籍がこっちに移っても、それは――)

 エリカの声無き訴えは届かない。虚ろな瞳の小梅に背を向けて、まほはトランクを片手に廊下を進む。

まほ「さて、小梅。私は少し出てくるぞ。エリカを今日一日、押さえておいてくれ」

小梅「……ヤヴォール(了解)」


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