まほ「まさか、みほと入れ替わってしまうとはな……」
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7:名無しNIPPER[saga]
2018/08/31(金) 19:13:12.37 ID:33mytLdE0
 2時間後。西住まほは大洗女子学園の校門をくぐっていた。手にはみほ入りのトランクがしっかりと握られている。

 校庭ではアヒルさんチームがバレーをしていたり、風紀委員たちが何かのテントを建てようとしていたり、アリクイさんチームがスマホ片手にうろうろしていたりしていた。

 この光景も、『西住みほ』にとっては今日で見納めになるわけだが。まほはふっ、と口元に薄い笑みを浮かべた。

 変装は完璧だった。ここに来るまで誰かに奇異の目線でみられたりということはない。校舎入口からこちらに近づいてくる角谷杏でさえ。

杏「やー、西住ちゃんお帰りー。忘れ物はとってこれた?」

まほ「会長。ええ、この通り」

 トランクを掲げて見せる。声帯模写も抜かりはない。

杏「そっかそっか。じゃー、ちょっと生徒会室まで来てよ。例の件で、ちょっと相談したくてさ」

まほ「分かりました。私も相談したいことがあったのでちょうど良かったです」

 例の件とやらが何かは知らないが、どの道転校の話を切りだせばそれどころではなくなるだろう。

 まほはこちらに背を向けた杏の後を追って、校舎へ向かった。と、その時、頭上から声が響く。

沙織「あ、みぽりんだ。お帰りー!」

 見やると、後者の2階から武部沙織が顔を出して、こちらに手を振っていた。

まほ「沙織さーん!」

 "西住みほ"らしく、笑顔を浮かべて手を振りかえす。まほは妹の対人関係も完全に把握していた。

 もちろんみほに対し何らかの不埒な行いを働こうとした輩がいた場合、いち早くぶち殺す為だ。

 と、一通り手を振り終わると、角谷杏がかなり先行していることに気づく。

まほ(みほを置いてきぼりにするとは……)

 やはりこんなところには置いておけない、と、考えたところで。

 杏が振り向いた。ぴんと伸ばした右腕が、こちらを指向し、

杏「――ばーん」


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