モカ「あたし、泣くと思うよ〜?」
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5: ◆hvVUYTmsCIUZ[saga]
2018/09/03(月) 00:11:08.91 ID:eARP+2sV0
 近くのスーパーまでは歩いて10分ほどの距離である。朝ということもあり、人通りは少ない。スーパーに行くまでに声をかけられたのは世話好きのおばさんの田中さんのみだった。睡魔がまだまとわりついているため、「あらモカちゃんおはよう」に対して「ん〜・・・」しか返せなかったが。
 スーパーで食パンやバターロールを買い、来た道を戻っていく。
 本当にここら辺は人通りが少ないなぁ。周りには誰も・・・

???「そこの女の子、ちょっと良いかな?」


6: ◆hvVUYTmsCIUZ[saga]
2018/09/03(月) 00:12:21.57 ID:eARP+2sV0
モカ「っ・・・?」

 いきなり電信柱の影からニット帽にサングラス、マスクをつけた中年の男がモカの前に現れる。

男「君のお母さんが倒れたみたいなんだ。僕が車で病院まで連れていくように頼まれたから、さあ乗って」
以下略 AAS



7: ◆hvVUYTmsCIUZ[saga]
2018/09/03(月) 00:13:33.08 ID:eARP+2sV0
モカ「ねえ、まだ〜?」

男「もうちょっとで着くからね」

 かれこれ30分は車を走らせ続けている。周りには森林が広がり、建物は少なく、人もいない。あ、でも聞いたことあるなぁ。幻のパン屋さんっていうのは人が少ないところに建ってるとかどうとか・・・。
以下略 AAS



8: ◆hvVUYTmsCIUZ[saga]
2018/09/03(月) 00:15:07.20 ID:eARP+2sV0
 車を走らせ続けて何時間か経過する。誘拐されているとも知らずに爆睡しているモカに現在地を知る術はない。
男(誘拐はひとまず成功したか・・・あとは身代金を手に入れれば・・・)

モカ「ねえおじさん、あたしお腹すいた〜」

以下略 AAS



9: ◆hvVUYTmsCIUZ[saga]
2018/09/03(月) 00:15:49.43 ID:eARP+2sV0
 指定のものと男が買った缶コーヒーをカゴに入れ、会計を済ませる。
店員「合計1386円になります」

男「・・・」

以下略 AAS



10: ◆hvVUYTmsCIUZ[saga]
2018/09/03(月) 00:17:03.65 ID:eARP+2sV0
 車に乗り、しばらく走っていると海沿いに出た。風が車の窓の隙間から入り込んでくる。

モカ「気持ちいいね〜」

男「・・・ああそうだな」
以下略 AAS



11: ◆hvVUYTmsCIUZ[saga]
2018/09/03(月) 00:17:51.03 ID:eARP+2sV0
 その時、男の携帯から音が鳴る。男は路肩に車を止めた。

男「はい、もしもし。・・・ああ、モカちゃんのお母さんですか」

モカの母『娘は無事なんですか!?声を聞かせてください!』
以下略 AAS



12: ◆hvVUYTmsCIUZ[saga]
2018/09/03(月) 00:18:43.10 ID:eARP+2sV0
男「は〜・・・。もうダメだ。居場所がバレちまった・・・」

モカ「おじさん、だいじょーぶー?」

 陽が傾き始めた海沿いで、堤防に座って二人は話していた。
以下略 AAS



13: ◆hvVUYTmsCIUZ[saga]
2018/09/03(月) 00:19:38.93 ID:eARP+2sV0
 モカは海を見ながら餡パンを頬張る。目の前には九十九里浜の荘厳な風景が広がっていた。夕焼けが反射した、オレンジ色の海。きらきらと橙色に光輝く水面が、夕空の混ざり合い、溶け込んでいる。

モカ「んー、景色を見ながらのパン・・・良いね〜。幸せ〜」

男「それなら良かった。幸せ、か・・・。ーーモカちゃんは、リストラって知ってるかい?」
以下略 AAS



14: ◆hvVUYTmsCIUZ[saga]
2018/09/03(月) 00:20:29.22 ID:eARP+2sV0
男「妻とは離婚してしまうし、子供には新しい良いお父さんが出来たって言うし・・・。もう、俺がこの世に存在する意味なんて何一つ無いんだよ」

モカ「・・・ふーん」

男「モカちゃんは、人が泣く理由って知ってるかい?」
以下略 AAS



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