真壁瑞希「恋するアセロラ・サイダー」【ミリマスSS】
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 22:44:56.84 ID:NGPIxQq80
ある日、どうして私の思惑が分かるようになったのか、尋ねた。
「よーく見るとさ、ちゃんと表情に出てるよ。楽しいとか、悲しいとか。だから、そんな不安にならなくていいし、遠慮なく俺に話してよ」
まっすぐとした、混じり気のない表情で彼は私を見た。
ああ、私のことをちゃんと見てくれてるんだ。私の考えを受け止めてくれる人が家族以外にもいるということが新鮮で、何より嬉しかった。
それから、彼に対する何かぼんやりとした感情が生まれた。途切れ途切れに私の中から溢れる気持ちの高鳴りを、繋げて、確かめて、そして気付いた。私は彼に恋をしているのではないか、と。
私は会話が下手だけど、彼と話すのは楽しい。私がうまく言葉にできない考えを、彼は真剣に聞いてくれて、汲み取ってくれるから。だから、いつも以上に私の色んなことを話したくなる、知ってほしくなる。
シアターの外へ出て屋台へ向かったが、あいにくアセロラ・サイダーは売り切れていた。むぅ、また今度の機会に飲むとしよう。
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