冷泉麻子「そど子卒業に際して」
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16: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:47:22.87 ID:Nn2yIfhz0

「そど子、どうしてここにいるんだ」

 とりあえず脳裏に浮かんだ言葉をそのまま口にしてみる。
 昨日からずっと考えていたことだ。
以下略 AAS



17: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:50:16.46 ID:Nn2yIfhz0

「……そど子に説教されたら遅刻しなくなるものなのか」

 失言だったらしく、私の言葉にそど子は「はあっ!?」と、より一層、語気を強めた。

以下略 AAS



18: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:52:12.08 ID:Nn2yIfhz0
 そど子は私が通り過ぎると校門の扉を閉めた。
 その様子は、まるで私を待っていたかのようだった。

 ふらふらとした体を泥のように引きずり校舎の中へ。
 ホームルームの終了した教室へと入り、机へ倒れ込む。
以下略 AAS



19: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:57:30.18 ID:Nn2yIfhz0

 そど子が私を待つ理由については察しがついた。

 お互い、腐れ縁だということは承知している。
 そんな腐れ縁の片割れが、この期に及んで(遅刻や欠席を帳消しにしてもらっておいて)遅刻を繰り返している現状を憂いているのだろう。
以下略 AAS



20: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:58:34.56 ID:Nn2yIfhz0

 そど子は卒業を自覚していた。
 わかっていないのは、私だけだった。

 そうやって気付いてしまうと、自分の中にぽうっと変わるものを感じた。
以下略 AAS



21: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 20:00:07.67 ID:Nn2yIfhz0

 性根のせいか体質のせいか。
 ……あるいは、小学生の頃に遭った、あの事故のせいか。

 ともかく私は布団の中を好み、過度な人付き合いを嫌い、ひどいサボり癖を持っている。
以下略 AAS



22: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 20:03:28.17 ID:Nn2yIfhz0

 ――しかし、しかしだ。

 恩を返すだのなんだのと直接そど子に言えば、あいつは「ようやく気付いたようね!」と調子に乗るだろう。

以下略 AAS



23: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 20:07:54.01 ID:Nn2yIfhz0

「しかし、問題は、何を用意するかということだな」

「冷泉殿、なにか言いました?」

以下略 AAS



24: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 20:14:29.58 ID:Nn2yIfhz0

「甘味が……甘味が足りない……」

 生徒会の仕事を手伝い早一時間。

以下略 AAS



25: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 20:15:46.31 ID:Nn2yIfhz0

 校舎を出て、学園艦の艦内を下り、船舶科の生徒とすれ違う。

 大洗のヨハネスブルグも初めは居心地が悪かったが、通い慣れた今となってはさほど気になるものでもない。
 ドラム缶を囲んでたむろする連中も、私を目に留めてもひらひらと手を振るだけだ。
以下略 AAS



26: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 20:17:13.90 ID:Nn2yIfhz0

 やがて目の前へメロンソーダが置かれ、すぐさまスプーンで天井に乗ったソフトクリームをすくった。

「ぉおお……」

以下略 AAS



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