バットマン「グランド……オーダー?」レオナルド「その3だね」
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631: ◆GmHi5G5d.E[saga]
2019/05/05(日) 03:45:34.83 ID:69VCOY9o0



 『その発砲』の直前、デッドショットは最適な着弾ポイントを探す必要があった。その一発は最高の一発でなくてはならず、そして世界を救う一発でなくてはならないからだ。


(おいおいおい、頼むぞ。悪党ですら世界を救う気になってんだ、ヒーローが負けてんじゃねえ)


 刻一刻と悪化してゆく状況を俯瞰しながら、デッドショットはスナイパーライフルを組み立てる。そして、作業を終え、スコープを覗き込み、そして、……そして一瞬、祈るように目を閉じる。彼の娘を想う。


(すまねえ)


 デッドショット。死の射撃。だが彼は、フロイド・ロートンでもある。だからこそその瞬間、彼は謝罪する。そうして、付け加えるように思考する。


(……おい、世界最高の暗殺者。同業者なら、ちったあ根性見せろよ……!)


 直後に、『それ』は撃ちだされた。




 ――全員が、その発砲音を聞き、意識を一瞬そちらへ向け、何が射出されたのかを見た。


 発射されたのは、緑に光る槍だった。バットマンは察する。アレはクリプトナイト製の槍であると。

 戦場へと走るデスストロークは、苦笑いの後に唇を引き結ぶ。アレは『自分宛て』だ。


 槍は正確にデスストロークの頭上へと飛来した。死の傭兵は走りながら跳躍し、それを掴み、破滅へと飛び掛かった。

 そして、クリプトナイトの槍を、ドゥームズデイの胸へと突き刺した。

「悪党の力も必要だろう」
「……」

 スーパーマンは驚きに目を開く。ドゥームズデイは吐血する。


「■■、■■■■■■■!!」

「ぐ、ううぅ!!」

 ドゥームズデイが苦痛に怯む。一方、スーパーマンも無事ではない。クリプトナイトはただその存在だけで彼らに悪影響をおよぼすのだ。


 両者の力が減じ、均衡は破られないかに思われた。しかし、スーパーマンの背後から、マシュが突撃した。マシュの光の防護の内側から、ジェロニモが、ビリーが、ラーマが、シータが、バットマンが突撃した。それが違いだった。


 ドゥームズデイはもはや抵抗する力もなく、よろめき、プラズマ太陽の中へと後退って行く。デスストロークは緑の槍を突き刺したまま、踏ん張ってドゥームズデイを押し込んで行く。

「スレイド! 戻れ!」
「断る」


 素っ気なく言い放ち、デスストロークはクリプトナイトの槍と共に太陽の中へ沈んで行く。ドゥームズデイは苦悶し、地獄から這い出ようともがく。しかし槍が、それを許さない。


「念のためだ。化け物と死ぬのは、化け物の宿命だな」


 ひとりごち、デスストロークは更に踏み込む。彼は全身が焼かれるのを感じながら、一瞬だけ、家族の幻影を見た。


(これがお前の怒りか)


 誰に向けた懺悔だっただろうか。スレイド・ウィルソンはようやく心からの笑みを漏らし、……直後に、太陽ごと、二人の化け物は消滅した。






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