まゆり「あなたは誰ですか?」岡部「……ッ」
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19: ◆/CNkusgt9A[saga]
2018/11/20(火) 21:48:01.75 ID:TX6juVmuo

秋葉原駅 総武線ホーム



 俺とまゆりは御茶ノ水で地下鉄に乗り換えるのがいつものルートだ。まゆりの高校も俺の大学も最寄りが御茶ノ水のため、定期が使える。タクシーも考えたが、密室空間の上にタクシーの悪夢のことを思えば、まだ普段使いの経路の方が安心できるというもの。
 せっかくだから御茶ノ水までは紅莉栖と一緒に徒歩で行っても良かったが、正直その選択肢は忘れていた。


まゆり「…………」ギュゥ


 まゆりが俺の右腕を白衣の上から抱きしめる。顔のわりに豊満な胸も当たっているが、そんなことに構っていられるほどの余裕など毛ほどもない。


岡部「……大丈夫だ、まゆり。ここに綯が現れることはない」


 現実世界ではそうに決まっている。だが、もし今まゆりの脳内世界に幻覚の綯が現われでもしたら……それは最悪の結果さえ招きかねない。そう思って、俺はまゆりに抱きしめられた腕でまゆりを抱きしめ返した。電車が到着するまで、絶対に離さないようにして。
 まぁ、今のまゆりの様子を見る限りでは、そこまで変わった様子はないので一安心ではある。


まゆり「綯、ちゃん……? あ、そっか。あの時、まゆしぃを押したのって……」

岡部「気付いてなかったのか? 普段からそういうスキンシップを取っていたのがアダになったのだろう」

まゆり「うん……でもね、綯ちゃんで良かった、かな……」

岡部「なぜだ?」

まゆり「だって、そういうことなら、悪気はなかった、わざとじゃなかったってことでしょ?」

岡部「そう、だな」

まゆり「それなら、まゆしぃが死んじゃっても、仕方ないかなぁって」エヘヘ

岡部「…………」


 なんというか……。まゆりが優しい子なのは周知の事実だが、その優しさが別方向に向き始めている気がした。



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