ヴァイス「少々席を外したいのですが」ターニャ「何故だ?」
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31:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 23:42:31.11 ID:i37PCr8J0
「君がそこまで言うのなら信じよう」

レルゲン中佐を見習って、ゼートゥーア少将は手付かずだった冷めたコーヒーをひと口啜る。

「……美味いな」

冷めても味が損なわれていないことに感心した、まさにその時。伝令が慌てた様子で参謀本部へと駆け込んできた。一同に緊張が走る。

「ご報告します!」
「聞こう」

ゼートゥーア少将は頷き、静かに耳を傾けた。

「たった今、通信室に届いた暗号文をそのまま申し上げます! 『世界を浣する我らが祖国』! 『世界を浣する我らが祖国』であります!!」

「じいいぃぃつぅにぃぃ! 結構っ!!」

その暗号文は、快腸作戦成功を告げるものだ。
テーブルを叩いて万感の悦びを表すゼートゥーア少将。その隣でルーデルドルフ少将が呟く。

「……勝ったな」
「これなら続報を待つ必要もない」

これで、戦争は終わる。悦びで糞が漏れた。
新薬の臨床試験は大成功を収めたのだ。
捕虜に服用させれば望む情報が全て手に入る。

「新薬の名前はなんだったか?」
「たしか、『V1』と、呼ばれていたな」
「ヴィクトリーのVか。まさに、相応しい名だ」

そんな雑談を交わしながら2人の少将は上機嫌で参謀本部を後にする。次に会う時には中将に昇進しているであろう帝国将校に敬礼して見送りながら、レルゲン中佐は改めて心から思う。

あの年端もいかぬ少女は。
第二〇三大隊の大隊長は。
ターニャ・デグレチャフ少佐は。

糞を漏らしながら、震え声でこう形容した。

「幼女の皮を被った、化け物だ」……と。


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