66: ◆GO.FUkF2N6[sage saga]
2018/12/23(日) 21:16:23.46 ID:l63Jdi8N0
 「あー!!」 
  
  いつの間にか仁奈ちゃんが隣にいて、ぷくーと頬を膨らませている。 
  
 「手紙は書き終わったの?」 
  
 「あとちょっとでごぜーます。それよりもなんで消しちまったでごぜーますか!?」 
  
 「うーん、興味がなかったからかにゃ? だってあの人は研究にしか興味のない人だし、あたしだって別にどうでも──」 
  
 「志希おねーさん」 
  
  あたしの言葉を遮って、あたしの目をじっと見て、言った。 
  
 「仁奈はママに来てほしいってちゃんと言ったでごぜーます。志希おねーさんもパパとお話してーなら連絡したらいいと思うです。 
 家族でも言わないとわからねーことってあるですよ!」 
  
  むむ。 
  いつしかあたしが仁奈ちゃんに言ったこと。 
  まあ、フレちゃんたちの受け売りなんだけど。 
  
 「にゃはは。りょーかい。会いたくなったら連絡してみるねー」 
  
  
 「んっ」 
  
  仁奈ちゃんは、小指だけを立てた左手をあたしに向ける。 
  
 「指きり?」 
  
 「嘘ついたらはりせんぼん、でごぜーますよ」 
  
 「……うん。約束、だね」 
  
  
  こんななんてことのない日常もお昼寝をするとあっという間に過ぎるもので。 
  
  市原仁奈のゴールデンタイムデビュー。 
  生放送の日がやってきた。 
  
  
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