【モバマス】水曜日の午後には、温かいお茶を淹れて
↓ 1- 覧 板 20 
14: ◆Z5wk4/jklI[sage saga]
2018/12/08(土) 00:20:06.83 ID:1bCRB9ws0
 2.Gentiana scabra 
  
 「……ふう」 
  
  美穂ちゃんはほっとしたような息をついて、湯のみを長机に置いた。 
15: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2018/12/08(土) 00:21:54.53 ID:1bCRB9ws0
 「もちろんです」 
  
 「やぁん、心配したぞ☆ じゃあじゃあ、サマーフェスも?」 
  
  はぁとさんの表情はぱっと明るくなる。 
16: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2018/12/08(土) 00:24:17.41 ID:1bCRB9ws0
 「私、は」 
  
  なんとか声を出そうとして、でもそこで詰まってしまい、私は足元を見た。 
  視界の端に見えているプロデューサーさんは、黙って私の言葉を待っている。 
  なにか言わなきゃ、と私が迷っていると。 
17: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2018/12/08(土) 00:25:40.78 ID:1bCRB9ws0
 「私は相葉夕美っていうんだ。あなたはなんていうお名前?」 
  
 「ぐすっ。くるみ……大沼、くるみ」 
  
 「大沼くるみちゃんかぁ。くるみちゃん。素敵な名前だね!」 
18: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2018/12/08(土) 00:27:27.44 ID:1bCRB9ws0
 --- 
  
 「それで……」マキノちゃんが机の上に置かれたプロフィールシートを揃えて、クリアファイルに戻す。「このシートの子、大沼くるみちゃんは、私たちのユニットに参加することになった、ということね」 
  
 「うんっ! プロダクションの人が親御さんにもちゃんと説明をしてくれたんだって。決心してくれたみたいでよかった! 自信をもってくれるといいなあ」 
19: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2018/12/08(土) 00:28:42.57 ID:1bCRB9ws0
 --- 
  
 「うん、いいねー、ちょっとだけ顔を右に傾けて、そう。じゃ、撮るよー、くるみちゃん、笑ってー」 
  
  シャッターの音が連続する。 
20: ◆Z5wk4/jklI[sage saga]
2018/12/08(土) 00:30:37.66 ID:1bCRB9ws0
 --- 
  
 「せっかくだから、見学だけじゃなくてちょっと身体を動かしてみますか?」 
  
  ダンスレッスンのトレーナーさんからそう問われて、くるみちゃんはふぇっ! と戸惑いの声をあげた。 
21: ◆Z5wk4/jklI[sage saga]
2018/12/08(土) 00:31:07.53 ID:1bCRB9ws0
  くるみちゃんは言われるがままに立ち上がる。 
  
 「夕美さん、さっきのレッスン曲よりちょっと遅いくらいのテンポで、手拍子してもらっていいですか?」 
  
 「うん、このくらいかな?」 
22: ◆Z5wk4/jklI[sage saga]
2018/12/08(土) 00:32:11.24 ID:1bCRB9ws0
 予告から日付を越えてしまいました。申しわけありません。 
 次は12/10に投稿します。 
23: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2018/12/10(月) 22:00:28.03 ID:Wp4M41Qe0
 3.Gerbera 
  
 「……なぁーんかさ、はぁとー、やっぱ干されてね?」 
  
  くるみちゃんの初めてのレッスンから一カ月程度が経った水曜の午後、はぁとさんはノートパソコンのある席に座り、頬杖をついて、プロデューサーさんが淹れてくれたお茶の入った湯のみを見つめながらぼそりとつぶやいた。 
61Res/162.03 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20