17: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:17:08.61 ID:p8Id/7Jt0
 文香「け、検索」プルプル……ポチッ 
  
 杏(やっぱり使い慣れてないかー) 
  
 文香「…………」プルプル……ポチ 
18: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:17:38.57 ID:p8Id/7Jt0
 文香「しかし……在庫はあるようですが、これは」 
  
 杏「どうかした?」 
  
 文香「……19800円、ですか」 
19: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:18:23.10 ID:p8Id/7Jt0
 杏(ヤフオクには……ないか。メルカリにもなし。あとは、アマゾンが中古扱ってたかな?) 
  
 杏(あ、出品されてる――けど、2万円超えてら。うーん……ん?) 
  
 杏「……Kindle版あるじゃん」 
20: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:18:55.38 ID:p8Id/7Jt0
 文香「……頭が固いと、古臭いと言われるかもしれません。ですが私は、どうしても電子データというものに信頼が置けないのです。もちろんそれが紙の本に印刷されたものであれ、液晶画面に表示されたものであれ、たしかに文字として、情報としての価値は変わらないでしょう。しかし紙は少なくとも触れることができます。自ら手放さないかぎりは、いつまででも所有しておくことができます。しかし、データはどうでしょう? 形なきものは、いったい、いつまで存在し続けてくれるのでしょうか? ずっとずっと、それが永遠にあるものと信じて疑わず、何年にも渡って生活を切り詰めて、自由にできるお金の大半を費やし続けた果てに、突然のサービス終了と――」 
  
 杏「まって! 黙って!! 黙れ!!!」 
21: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:19:31.92 ID:p8Id/7Jt0
 文香「はっ! す、すみません……」 
  
 杏「途中から違う話だったよね! その手の話題はデリケートなんだから気を付けて!」 
  
 文香「……つまり私は、紙の本が好きなのです」 
22: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:20:37.84 ID:p8Id/7Jt0
    * 
  
 ――翌日 
  
  
23: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:21:33.59 ID:p8Id/7Jt0
 〜岡崎泰葉編〜 
24: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:22:34.57 ID:p8Id/7Jt0
 「泰葉ちゃんおはよう」 
  
 泰葉「おはようございます、いつもお世話になってます」 
  
 「こないだの公演、大好評だったね」 
25: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:23:09.07 ID:p8Id/7Jt0
 「あ、岡崎さん。公演観に行ったよ、すごくよかった」 
  
 泰葉「本当ですか? 嬉しいです」 
  
 「話も面白かったし、やっぱり岡崎さんがよかったね。『岡崎泰葉ここにあり』って感じで」 
26: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:23:46.81 ID:p8Id/7Jt0
 ――事務所内通路 
  
  
  
 泰葉(戻ってくるの遅くなっちゃったな。外、もう暗い)テクテク 
27: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:25:13.31 ID:p8Id/7Jt0
  ***** 
  
  ヨーコさんたちを見送った私に、三人組の女性が話しかけてきた。 
  三人はそれぞれ、ショーコ・ワカバ・ホタルと名乗った。オートマトンではない、だけど、人間ともなにかが違う。 
  
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