【シャニマスSS】霧子「チョコレート、ツツジの花、フォークダンス」
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19: ◆/rHuADhITI[sage saga]
2019/02/15(金) 00:06:19.82 ID:zDo8rKZ40
もし仮に、恋鐘ちゃんが同じクラスの女の子だったとしよう。

フォークダンスの授業で、恋鐘ちゃんが踊る。

綺麗に、華麗に、魅力的に、誰よりも人目を引いて踊る。

そして、わたしは拍手をする。

それが咲耶さんでも、摩美々ちゃんでも、結華ちゃんでも、わたしは同じことをするだろう。

焦がれて、賞賛して、素直に拍手をしているに違いない。

だけれども、踊るのが自分ならそうならない。

それらは容易に逆転してしまうのだ。

ひけらかしている、という意識が真っ先にやってくる。

自分だけの為じゃないか、という考えが鎌首をもたげる。

わたしは自分の行いを、『悪』だと断じてしまう。

周囲の反応など関係なく、わたしはその行為自体を恥じてしまう。

……つまり、他人が行えば受け入れられる『善』で、自分が行えば恥じるべき『悪』になる。

そこに理論的な帰結など無い。

感性の話に、そんなものは持てない。

ただ『わたし』という人間が、そういう風に出来ているという話。

元より、魚の小骨は存在しなかった。

この痛みは、外部からもたらされた鋭い棘ではない。

自身の代謝にによって作られた、刺す痛みを持つ炎症だったのだ。

踊ってみたかったのは、本当の気持ち。

誰かに認められたいという気持ちも、嘘じゃない。

だけれども、自身のそれを『悪』だと思ってしまうから。

だから、わたしはフォークダンスを踊らない。

……そう決めた判断は、決して不正解じゃない。

そう、思いたいのだ。


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