速水奏「お父さんあっ」
1- 20
12:名無しNIPPER[saga]
2019/03/23(土) 19:28:11.46 ID:WXZGVs7k0

奏ちゃんは優秀な生徒でした。
全国で見ても上位に食い込むのは間違いありません。
もっとも、学校が学校ですから、クラス内ではごく普通の成績ではあります。

山本先生が彼女を贔屓する理由とは、まさにその『普通』を維持している点にありました。
アイドルの活動を始めてからも、奏ちゃんが大きく成績を落とした事はありません。
お休みの日は多いですが、授業に臨む際はきっちりと。
山本先生は未だに居眠りする奏ちゃんを見た事がありません。

部活にせよ何にせよ、熱中できる事は事として、勉学にはひたむきに。
一度きりの学生時代を謳歌する彼ら彼女らを、山本先生は心から愛していました。


そんなご贔屓の奏ちゃんがやらかしてしまいました。
いわゆる黒歴史という単語くらいは、山本先生も知識として知ってはいます。
出来るなら忘れたい過去。忘れられない青春の一ページ。
今この瞬間は、きっと奏ちゃんの心に小さな擦り傷を残していくでしょう。

君に何が出来る?
山本先生は自身へそう問い掛けました。
傷跡を目立たせぬ為に、今、自分に出来る事。
年長者としての立場。
呼び掛けに対して発せねばならぬ、気の利いた返答。


山本先生は、遂にその一言へと辿り着きました。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
29Res/19.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice