3: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2019/04/05(金) 17:28:30.22 ID:iywvaqaG0
  
  はづきさんに今日の報告をしつつ書類を渡して、帰る前に一息とソファに座り込む。 
  この間に雨が止んでくれていると助かるんだが、おそらくそれは叶わないだろうな。 
  それに今止んだところで、下がった気温がすぐ上がる訳ではない。 
  そのくらい分かっているけれど、それがもっと早くに分かっていたのならヒートテックを手放してはいなかった。 
  
 「そう言えば結華はどうして来たんだ?」 
  
 「どうして来たと思う?」 
  
 「歩いて来た」 
  
 「はい残り回答数は2!」 
  
  少し怒った様に大きな声でピースを俺に向ける結華。 
  流石にふざけ過ぎたか。 
  さてさて、どうやら俺は残り2回の回答で結華が来た理由を当てなければならない様だ。 
  最低限、彼女の機嫌を損ねない回答を捻り出さなければならない。 
  
 「んー……忘れ物を取りに来た」 
  
 「ラストワン!」 
  
  外れらしい。 
  正直これが一番可能性があると思っていたのだが、それも違ったらしい。 
  
 「もっとさー、プロデューサーは自意識過剰になっても良いんじゃない?」 
  
 「ん、どういう事だ?」 
  
 「それか女の子の気持ちに敏感になった方が良いと思うのです」 
  
  女の子の気持ち、か…… 
  
  世界三大謎の一つである『女心』とやらは、自慢じゃ無いが俺は最も理解出来ず自分からは縁遠いものだと思っている。 
  秋の空どころか春の空すら読めない俺にそれを理解しろと言う方が無理だ。 
  
  
  
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