理樹「来ヶ谷さんを恥ずかしがらせたいなぁ」恭介「それだ!!」
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名無しNIPPER
[saga]
2019/05/01(水) 22:04:24.31 ID:dT/zudZx0
来ヶ谷「小細工はこれだけか?」
理樹「くぅ……」
理樹(もはや単体では水鉄砲は当たらないと見たので捨て置くことにした。そしてハリセンを両手に握り直すと、足のローラーシューズを強く蹴った)
理樹「こうなれば白兵戦だ!」
ザザーッ
来ヶ谷「遅いぞっ」
パシーンッ
理樹「なあっ!?」
理樹(斬りかかろうと突っ込んだ瞬間、待ち構えるかと思っていた来ヶ谷さんが逆に突っ込んで来た。そして片手で持っていた模擬刀の鞘を抜き取ると居合斬りの要領で僕のハリセンをはるか彼方へと切り飛ばした)
来ヶ谷「これで終わりだ!」
理樹(来ヶ谷さんはそのまま模擬刀を捨てて僕の懐に入って腕を掴んで足をかけてきた。投げ飛ばす気だ)
理樹「やばっ……!」
恭介「理樹!『あれ』を使え!」
理樹(茂みから恭介が飛び出してきた。そうだ、まだアレを使っていなかったじゃないか!)
来ヶ谷「むっ!?」
理樹(恭介の声に振り向いた来ヶ谷さんの隙を狙ってランドセルの底に紐でくくってぶら下げておいた"卵"を取り出した)
来ヶ谷「なんだそれはっ」
理樹「胡椒玉さ!」
理樹(そう、ただの卵ではない。あらかじめ卵に穴を開けて中身を取り出したものに胡椒を入れた代物だ。これを勢いよく破裂させるとその付近はしばらく胡椒でクシャミが止まらなくなる。いくら来ヶ谷さんでもこれを食らって平気ではあるまい。もちろん僕はお面の下にマスクを着けているのでやられるのは相手だけだ)
恭介「いけぇえええ理樹ィーーッ!!」
真人「俺たちの悲願を果たせえええ!!」
謙吾「ぶっ倒せーーっっ!!」
鈴「結局"しえん"かお前ら!」
パンッ!
来ヶ谷「っ!」
理樹(来ヶ谷さんが止める前になんとか残った片手で卵を叩き割ることが出来た。宙には胡椒の鱗粉が舞う)
理樹「勝った!」
来ヶ谷「ふふふっ…甘いなァ!」
ブンッ
理樹「なぁっ!?」
理樹(彼女は間に合わないと見るや僕から一旦離れ、バレエを踊るようにその場で一回転した。最初は何事かと思ったが、その来ヶ谷さんの良い匂いでようやく意味が分かった)
謙吾「そ、そうか・・・!くそ、やられた!」
真人「な、なにやってんだ来ヶ谷のやつ・・・」
恭介「・・・吹き飛ばしたんだ。自分の濡れ髪を団扇代わりに使って漂っている胡椒を自分の周りから遠ざけたんだ!」
理樹(やられた。まさか最初に食らったディスアドバンテージを逆に利用してくるとは!)
来ヶ谷「今度こそ終わりだ!」
理樹(その台詞が全部喋り終わる頃には地面に叩きつけられていた)
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