高垣楓「風向き良し」
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7:名無しNIPPER[saga]
2019/05/05(日) 00:15:29.81 ID:OWpqcD6m0

彼女は微笑んだまま動かず、やがて軽く首を傾げた。
何をしているんだろうかと眺めている内に、
こつりこつりと靴を鳴らしながらこちらへと近付いてくる。
俺の三メートルで立ち止まり、楓さんが再び微笑んだ。

 「……」

何も言えずにいると更に近付いてくる。
五十センチ手前までやってきて、膨らんだドレスの裾がスーツを軽く撫でる。
素敵な微笑みを三度向けられてから、ようやく俺は口を開いた。


 「……とても良くお似合いですよ」

 「まぁ。ありがとうございます、プロデューサー」


綻ぶような微笑から、満開の笑顔へ。
真っ直ぐ見ておきたいところだったが、視線がよそを向いてしまう。
少々、眩し過ぎる。

 「高垣さーん、流れ説明するんでこちらへお願いしまーす」

 「はーい」


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